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松本徹三(Tetsuzo MaTsumoto)-良い競争 悪い競争

良い競争 悪い競争

「競争こそが、各企業に『創意と工夫』を促し、結果として、よりよいサービスがより安く顧客に提供される」ということは、あらゆる場で繰り返し言われており、あらためて申し上げるべきことでもありません。「通信事業のように独占体制から出発した分野では、『自由な競争』だけでは駄目で、いろいろに工夫を凝らして、『公正競争』が担保されなければならない」ということも、以前のブログで申し上げました。

しかし、それでは、およそ「競争」と名の付くものは、全てよいことなのかと言えば、必ずしもそうではないと考える人が多いでしょう。世の中には、「意味のない競争」「悪い競争」と考えられるものも、結構あるようです。

一つは過当競争です。

或る会社が、シェアを増やすために目茶な値引きをし、結果として業界全体が消耗戦に入り、値引き合戦を仕掛けた会社を含む何社かが倒産するというケースがあり得ます。この場合、結果として、市場は生き残った数少ない会社の寡占状態になりますが、これらの会社も疲弊している為、サービスの向上などは望むべくもなく、「サービスは低レベルのままで、徐々に価格が上がっていく」という状況を引き起こします。

もう一つは不当競争です。

これは、圧倒的に優位な立場にある会社が、対応力に劣る競合他社を破綻に追いやる目的で、価格を下げたり、過剰なまでのサービスを行ったりするケースです。「既得権を背景に、新規参入者を水際で撃退する」などのやり方も、この範疇に入ります。常に何度か申し上げたように、通信事業のような分野では特にこれが起こりやすいのです。と言うのも、通信サービスでは、「全国カバー」や「規模の利益」といったことがキーワードになりますし、各家庭まで銅線や光ケーブル引き込んだり、あらゆる場所に電波が届くように無線局を建設したりするには、先行して場所を確保していることが圧倒的な強みとなるからです。

このような「悪い競争」は、最終的には利用者に不利益をもたらすのですから、利用者自身が十分賢くならなければならないわけですが、これは実際には困難なことです。また、「過当競争」の方は、事業経営者が賢くなることで或る程度防げますが、「不当競争」の排除には、国が「構造改革」のイニシアティブをとったり、或る程度の規制を行ったりすることが、どうしても必要となります。

「良い競争」と「悪い競争」を見極めることも、そう容易なことではありません。一見良いことのように見えても、悪い結果を呼ぶことは結構多いからです。その一つの例として、私はここで、「電波の入札制(オークション)」のことを論じてみたいと思っています。

結論を先に言えば、私は、一般には「最も透明性が高く公平である」と見られている「電波のオークション」には反対です。

こんなことを言うと、「ソフトバンクは既に多くの周波数を所有する第1種通信事業者だからそんな保守的なことを言うのだろう」と思われる方が居るかもしれませんが、私は一介のテクノロジーベンダーであったクアルコム時代から、一貫して「オークション反対論」を述べています。クアルコムのような米国企業や、米国企業の海外進出を後押しする米国政府は、通常は「オークション万能論者」ですから、このような私の立場は特異なものとみられていましたが、私は論理的に説得して米国本社にも納得してもらいました。

私は、硬派のブロガーとして有名な上武大学の池田信夫先生のフアンで、先生の歯切れの良いブログにはいつも賛同するところが多いのですが、この点については意見を真っ向から異にしています。昨年末にWiMAXの免許についての議論がホットだった時に、先生が所属するICPF主催のフォーラムがあり、私は競合他社の方々とオープンに議論が出来るのを楽しみに喜んでお誘いに応じましたが、何故か他社からは誰も出てこられなかった為、このフォーラムでは、結局は「オークションの賛否」についての議論が多くなりました。池田先生をはじめとして、ご出席の先生方の多くは、「ビューティーコンテストでは、評点の振り分け方等を決めるところから、既にその妥当性に疑義が生じる可能性が強く、公正を期することは事実上困難である。結局、オークションしかない」というご意見だったのですが、私は現実的な見地から異を唱えました。

私が現時点でオークションに反対する根拠は下記4点です。

1)オークションでは、「万一の落選」を恐れなければならないため、どうしても高値応札となり、このことが結果として肝腎の設備投資を遅らせて、サービスの質を落としたり、サービスコストを上昇させたりすることにつながる。(欧州の3Gサービスの充実が遅れているのは明らかにこれに起因している。)

2)これまでの周波数の割り当ては「済んだこと」としてそのままにされ、新しい周波数の割当のみにオークションが適応されるとして、結果として、新しい周波数割当に頼らざるを得ない新規事業者にコストハンディキャップを課することになり、「既得権者の保護」につながる。

3)技術や市場の本質を理解しない企業が「勘違い」によって高値落札し、事業化の途中で断念したり、サービス開始後に破綻したりすると、大きな経済的ロスが生じるのみならず、貴重な周波数が長期間にわたり使われず、その期間中ユーザーは「よりよいサービス」を受ける機会を逸失することになる。

4)高値入札の結果得られた高額の収入は、そのまま国庫に納められ、一般財源として運用される可能性があり、こうなると、国が本来は最も育成していかねばならぬ筈の通信情報産業から、他産業への「資金の移転」が行われる結果になってしまう。

しかし、私も、「オークションという『一つのオプション』を常に念頭において、全てのことを議論する」ということ自体には、諸手を挙げて賛成です。そうすれば、現行のビューティーコンテストも、今後は、より深く、よりオープンな議論を経て行われるようになるでしょうし、「現状で無駄に使われているのではないかと思われる周波数(私は相当あると睨んでいます)」については、現在それを使っている人達に、「仮にこれだけの金を払う必要があったとしても、同じように使い続けますか?」という問い掛けをすることができるようになるからです。

さて、話が「電波の入札制の可否」の方に深入りしてしまいましたが、ここで話の本筋を元に戻し、携帯通信の世界で、現在ソフトバンクが果敢に仕掛けている競争が、「良い競争」なのか「悪い競争」なのかということを、少し論じてみたいと思います。というのも、世の中には、「ソフトバンクはやり過ぎで、このような競争のあり方は業界を疲弊させる」と考えておられる方も結構居るようだからです。勿論、私は「これは良い競争である」と考えているわけですから、その根拠をここでご説明したいと思います。(これは、以前にある方からご質問を受けていたことで、「そのうちにこのブログで説明します」とお約束していたことでもあるので、この機会にこのお約束を果たします。)

先にも申し上げましたように、通信事業というものは、他の分野以上に、どうしても寡占にならざるを得ない性格を持っています。膨大な資金を投じて日本中をカバーするネットワークを構築せねばならず、しかも、常に「施設の場所の確保」という難しい問題を抱えているからです。

米国の携帯通信業界を見ると、お互いにしのぎを削っていた多くの会社が合併と買収を繰り返し、現在はAT&T とVerizon の2強にSprintとT-Mobileが続く4強体制にあり、その中で、4位のT-Mobileが3位のSprintを買収するのではないかという噂が流れています。

欧州では、英国を拠点として主要各国にプレゼンスを拡大しているVodafoneが、Telefonica/O2(西、英)、Telecom Italia(伊)、T-Mobile (独)、Orange(仏)などの各国の強豪に各地で挑んでいるという構図があります。

お隣の韓国は、SKT、KTF、LGTの3社体制ですが、800MHzの黄金周波数を独占しているSKTの力が強くなりすぎないように、国が種々の非対称規制をかけて、下位の2社を支援してきたという歴史があります。最近では2位のKTFが1位のSKTに迫りつつあります。

自国開発のTD-SCDMAという技術にこだわって3Gの導入が遅れた中国では、先行したチャイナモバイルが圧倒的な力を持ち、これに対抗するのは、GSM とCDMAの二つのシステムを並存させねばならないチャイナユニコム1社だけという現状ですが、3Gの導入に合わせて、チャイナモバイル、チャイナテレコム(日本のNTTにあたる会社 チャイナユニコムのCDMA部門を買収予定)、それに新チャイナユニコム(チャイナユニコムのGSM部門をベースに、チャイナテレコムから枝分かれしたチャイナネットコムが合流)の3社体制が、政府主導の下に近々確立される見込みです。

従って、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクという日本の3強体制も、大体世界の流れにあったものだといえますが、1年半前ごろまでは、まだこの構図は見えていませんでした。

ソフトバンクが買収する前のVodafoneは、「海外に強い」ということ以外にはどこといって特徴もなく、経営は日本の実情に合っておらず、恒常的にシェアを落としていっておりました。恐らくドコモもKDDIも、「このVodafoneのシェアを奪っていくことはさして難しくなく、やがて2強体制が確立されるだろう」という見通しを前提に、自社の経営の将来像を描いていた筈です。

ソフトバンクとイー・アクセスが1.7GHzの周波数を獲得し、新規事業者として名乗りを上げた時点でも、「これらの2社が生き残って成長していくには相当の困難があり、自分達を脅かす存在にはなり得ない」と考えた筈ですし、ソフトバンクが方向転換をしてVodafoneを買収した時にも、「これだけ身分不相応の財務負担を負ってしまっては、拡大戦略推進の余力はないだろう」と考えたことでしょう。ソフトバンクはかつてADSLで業界を震撼させた価格革命を行った会社故、当然「悪夢の再来」の可能性も危惧したでしょうが、「価格戦争になれば、資金余力のない会社は生き残れない」という原則があるので、それ程心配はしていなかったでしょう。

これは、別に彼等が傲岸であったわけではなく、「合理的に考えていくと、当然そういう結論になる」ということだったと思います。政治の世界でもそうであるように、一旦2大政党制の流れが出てくると、この流れに抗して第3の政党が出てきたり、多党分立になったりするのは、現実には相当に難しいことです。

ところが、蓋を開けてみると、ソフトバンクは大健闘。この4月には「12ヶ月連続純増トップ」という快挙を成し遂げ、市場占有率も、僅かずつではありますが、着実に上昇しています。これは一年前には誰も予想しなかったことであり、ドコモもKDDIも、あらためて「ソフトバンク恐るべし」という思いに駆られ、戦略練り直しの必要性を感じつつあるものと思われます。

しかし、一方では、この事実を冷ややかに見る人達もいます。「ホワイトプランなどで思い切った安値を出したのだから、或る程度シェアが取れるのは当然だ。しかし、安値で競争を仕掛けているのだから、ARPU(加入者一人当たりの収入)は低下しており、これでは勝ったことにはならない」というのが、こういう人達の冷ややかな見方の背景です。

「成程、革新的で多彩な商品企画やテレビCMの大成功、量販店ルートの飛躍的な成長など、マーケティング能力はたいしたものだが、これらは、はやがては種の尽きる『戦術的な勝利』にすぎず、ネットワークやプラットフォーム戦略では未だ見るべきものがないので、やがて息切れする」と見ている人達も居るようです。

更には、「現在のような身を削る低価格戦略は、ソフトバンクの市場シェアが未だ小さいからこそ成り立つものであり、所詮は弱者のゲリラ戦に過ぎない」と突き放す人達や、「そもそも長期的に勝ち目のない低価格戦略は、業界全体を疲弊させるだけの自殺行為」などと極言して、相変わらずの「ソフトバンク性悪説」に固執する人達さえ居るようです。しかし、本当にそうなのでしょうか?

私は、かつて、ドコモが圧倒的な強さを誇っていた時に、「パックス・ロマーナ(ローマ支配下の平和)」という言葉をもじって、「パックス・ドコマーナ」とこれを呼び、日本の将来の為に、この「実質的無競争状態」がもたらすものを危惧しました。この為、私は、「CDMAを導入したKDDIに何とかしてドコモを脅かす存在になって欲しい」と念願し、その為に自ら相当の努力もした積もりです。

しかし、その後、孫さんの携帯通信に対する不退転の意欲を見せ付けられ、「日本は『二大政党』ではなく、『三国鼎立』となるだろうし、その方が良い」と感じるようになりました。考えてみると、現在の日本の携帯通信業界は三国志の世界に似ています。圧倒的な力をもった「魏の曹操」に擬せられるドコモ、地の利を生かし、いつの間にか曹操を脅かす存在になった「呉の孫権」に擬せられるKDDIに対し、ソフトバンクは、ほぼゼロから出発し、空き家同然になっていた蜀の地を押さえて「三国鼎立」の形を作った「劉備玄徳」に擬せられます。(尤も、私などは、もしその中で「諸葛孔明」の役割を果たせるのなら嬉しかったでしょうが、現実にはせいぜい「伊籍」とか「馬良」程度です。)

先にも述べましたように、第三のプレーヤーは常に極めて難しい立場に立たされるのですが、もし彼等が頑張れば、「二大政党」よりは「三国鼎立」の方が望ましいのは明らかです。2社間の競争より3社間の競争の方が創意工夫の幅が広がるし、2社が裏で手を結ぶことによって実質独占の弊害が生まれる可能性もなくなるからです。特に、ソフトバンクはインターネットの申し子のような存在ですし、はじめから常にグローバルな視点でものを考える体制になっているので、良くも悪くも生まれながらに通信会社の文化をベースとしているドコモとKDDIの間のみの競争よりは、新しいものが生まれてくる可能性がぐっと広がってきます。

価格競争は、第3位の事業者がはるかに大きな市場占有率を持つ競合他社のシェアを蚕食していく為には、どうしても避けられない戦略の一つです。通信事業においては、「規模の利益」が厳然として存在しますし、他社にない新規サービスを導入しようとしても、顧客ベースが小さいと投資効率が悪すぎますから、先ずはなりふり構わずシェアップを計らざるを得ないのです。当面ARPUが低くなってしまうのも、止むを得ないこととして、当然折込め済みです。一度に「花も団子も」という訳にはいきません。

しかし、「資金力のないソフトバンクが価格競争を仕掛けるのは自殺行為」という見方は、完全に外れました。ソフトバンクは、「原価5万円の携帯端末を1万円で売る。この差額は後々の通信料収入によって回収する」という、これまでのこの業界の常識であった「販売奨励金制度」を否定し、「端末は正当な値段で買ってもらう。但しこれを24ヶ月の割賦にした上、更に通信料の大幅な値下げをするので、ユーザーの初期負担も毎月の負担も、これまでよりは相当安くつくようにする」という、全く新しいビジネスモデルを導入、これを成功裏に定着させました。これによって、「思い切った低価格政策で新規加入者を増しながら、事業者としても増収増益を実現する」という離れ技を成し遂げたのです。

「販売奨励金制度」は、「長期間端末を保有する一般ユーザーが、頻繁に端末を買い換えるユーザーの犠牲になっている」と言ってもよい「一種のいびつな制度」であり、総務省もこれを問題視したほどです。ドコモやKDDIも、長い間、「このようなビジネス慣習は出来れば止めたい」と考えてきたようですが、どうしても止められなかったようです。しかし、ソフトバンクは、鉄の意志でこれを実行しました。もしこれがやれなかったら、これからシェアアップを計っていかなければならないソフトバンクのような会社は、「先行的に発生する巨額の販売奨励金負担」に押しつぶされて、経営が成り立たなかったかもしれません。

「ソフトバンクの低価格政策は、シェアの小さな事業者のみが取りうるゲリラ戦術に過ぎない」という批判は、或る程度当たっているといえます。しかし、それは何も恥じるべきことではありません。第3位の事業者が上位の事業者と同じ戦略や戦術を取ったのでは、勝てるわけはないのです。第3位の事業者だからこそ使える戦術を使うのは当然のことです。

例えば、或る新しい価格政策を導入したとすると、既存の顧客から折角入ってきていた収入が一次的に減少することは大いにありえます。これを、俗に「カニバリ(食人を意味する英語のCannibalizationから来た言葉)による減収」と呼びます。従って、この減収分を補って余りある「新規収入」、即ち「競争相手から奪った顧客からの収入」がある時にのみ、この新しい価格政策は導入可能になるということです。当然のことながら、既に十分なシェアを持っている事業者の場合は、「新規収入」が「カニバリによる減収分」を補ってくれる可能性は乏しく、従って、このような思い切った低価格政策は採りにくくなるのです。

そろそろ本質的な問題を論じましょう。ソフトバンクは、創業者である孫さんの強い意志によって、「業界ナンバーワンを目指す路線」を不退転の決意で突き進みます。その当面の最大の武器は「カニバリによる減収を恐れない低価格路線」です。

これにより、既に十分な収益力を持っている既存事業者の収益は減少せざるを得ないでしょうが、それは「業界を疲弊させる」ところまでには至らないでしょうし、一方、消費者はその恩恵を直接受けます。サービス競争はますます激しくなりますが、ソフトバンクを含む各自業者は、この為の創意工夫を徹底して行いますから、ここでも消費者は恩恵を受け、関連事業者にも飛躍の機会が与えられます。ソフトバンクが仕掛けている競争は、この意味で明らかに「良い競争」だといえます。

「第3位の事業者は淘汰されていく運命にある」というテーゼは、この事業者が困難な競争に打ち勝っていく「意志」と「能力」を欠いている場合にのみ成り立つテーゼです。第3位の事業者に「強い意志と能力」があった場合は、「競争によってもたらされるカニバリ効果」によって、「ユーザーの平均コストの低減」と「各事業者間の格差の平準化」が同時に起こっていって然るべきです。

この後に来るのは何か? それは「サービスの高度化」とそれによる「各事業者の収入の増加」でしょう。いや、これは、実際には、「その後」ではなく、「同時に」に起こっていくことになるでしょう。これこそが本当の意味での「良い競争」だと、私は思っています。

サービス競争は、アイデアの競争であると同時に、ネットワークとプラットフォームの地力の競争でもあります。ソフトバンクはこの競争においても勝っていけるのか? これはソフトバンクの今後を見守っていただくしかありません。しかし、ソフトバンクがそのことを十分に意識していることは、少なくともご理解いただけたと思います。この業界はこれからますます面白くなっていきます。競争はますます激化していくでしょうが、それはあらゆる面で間違いなく「良い競争」であると思います。

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コメント(2)

Middy2 :

きっと、私が投げかけさせて頂いた疑問にお答え下さったのではないかと思います。ありがとうございます。

ボーダフォンを買収後、少なからず迷走はあったように思いますが、端末展開やホワイトプラン等によりに注目を集め契約者数を増加させ、「草刈場」とも言われていた事業者を立て直したことは評価に値すると思います。au利用者である私も、多少なりともその恩恵に与っていると感じますので、個人的には『良い競争』であると思えます。ソフトバンクにはもっと頑張って頂いて『良い競争』が永く続くことを期待します。

その一方で、(既に取りやめたようですが)「Y!」ボタン押下でS!ベーシックパック自動契約という消費者保護に反するとも言える驚くような施策や、相次ぐ通信障害への対応の遅れなど、ソフトバンクの経営方針については気になるところも少なからずあります。是非、こういった点については、加入者の立場に立った経営を望みます。

最後になりますが、ご紹介キャンペーンで最大5万円が支払われたり、新規加入時端末代一括支払い(スパボ一括)9,800円で2年間ユニバーサル料のみの支払いで済むような施策が展開されているようですが、これに掛かる費用も"新規顧客獲得に掛かる費用"ではないかと思います。スーパーボーナス特別割引やホワイトプランは既存加入者や機種変更者がほぼ等しく享受することのできる施策だと思いますが、先述の施策は新規加入者を優遇する施策だと思います。こういった意味で「新規加入者に恩恵をもたらす"新規顧客獲得に掛かる費用"というのは大きく減っていないのではないか」という主旨のコメントさせて頂いた次第であり、こういった部分について触れて頂けなかったのは残念です。

TetsuzoMatsumoto Author Profile Page:

Middy2さん

ご指摘のとおり、早くシェアアップを計りたいという気持ちが先走って、首をひねるような「新規獲得優先」の販売施策がとられることも、時折あるようです。しかし、お客様に密着している現場からの批判や苦情が、経営トップにフィードバックされる速度は、ソフトバンクという会社では相当早いように感じられますので、次第に試行錯誤は減っていくものと信じています。今しばしお見守りください。

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このブログ記事について

このページは、TetsuzoMatsumotoが2008年5月26日 18:20に書いたブログ記事です。

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松本徹三のプロフィール

松本徹三
1962年 伊藤忠商事株式会社入社
1984年 伊藤忠アメリカ会社上級副社長兼エレクトロニクス部長就任
伊藤忠商事(株)東京本社通信事業部長、同マルチメディア事業部長歴任
1996年 同社退職、ジャパン・リンク設立
1998年 クアルコムジャパン(株)代表取締役社長就任
2005年 同社取締役会長、クアルコム米国本社上級副社長就任
2006年 ボーダフォン(株)(現ソフトバンクモバイル)執行役副社長 技術統括兼CSO就任